再会の喜び
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歯科医師として私が一番嬉しく思う瞬間は、昔かかわった患者さんが自分のことを忘れずにいてくれた時です。
先日、勤務医時代に治療を担当していたお子様のお母様が、新規オープンした当院を見つけ来院してくださいました。
当時まだ幼かったお子様はずいぶんと背が伸び、もう立派な青年になっていました。
幼いながらも自ら決断し歯科治療に立ち向かってくれた当時の雰囲気はそのままでした。
お母様も以前と変わらず穏やかで明るい素敵な笑顔でした。
お子様との思い出話に花が咲き、とてもうれしいひと時を過ごさせて頂きました。
そしてこれからもまた担当させて頂ける喜びでいっぱいです。
当時は歯科治療に慣れてもらうため刺激の少ないブラッシングから始め、できたら充分に褒め、ご褒美も用意しました。
治療に使う道具をすべて見せたり触らせたりしながらゆっくり説明し、お子様と共に段階を踏んで恐怖心を取り除いていきました。
今となっては美しい思い出です。
永久歯が生え揃った今後はセルフケアとお母様によるチェック、医院でのプロフェッショナルケアの三つの輪によって健康を守っていきます。
また、こんな患者さんも来院されました。大きなコスモスの鉢植えを持って来てくださったのです。
聞けばその患者さんは子供の頃、ご自宅の庭にコスモスが群生しており、その花をかき分けて会いに来てくれるお友達との思い出が忘れられないとのことでした。
偶然ですが私の実家の庭も昔はコスモスがたくさん咲いていました。コスモスをかき分けて、友達と楽しく遊んでいました。
秋空のもとコスモスの繊細な茎がそよ風に揺れるさまは、まさに秋に咲く桜のようでした。
あらゆる思い出を胸に、患者さんとの出会いを良い思い出に変えて行けるように、これからも診療に励んで参ります。